GRECO

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INTERVIEW Product Story of GRECO

複製テスト「GRECO」はこうして生まれた

Interviewees:

シーエンジ代表取締役

高岡佳久Takaoka Yoshihisa

人に快適さをもたらし、時には人の命を守る。
クッション材はさまざまな分野で私たちを支えてくれる優しい存在。
衝撃吸収性や反発性に優れるクッション材はいくつもあるが、「GRECO」は環境負荷を抑えた優しいクッション材として誕生しました。
今までになかったこのクッション材はどのように開発され、どのような想いを込めて生まれたのだろうか。
「GRECO」の製造を行う株式会社シーエンジの社長、高岡氏にお聞きしました。

漁網づくりの技術をベースに誕生した画期的なクッション

「シーエンジ」は1999年の創業以来、“ものづくり”に向き合いながら歴史を積み上げてきました。創業当初から今日までつくり続けているのがクッション素材。新しく機能性に優れたクッション素材の追求と開発を日々行っています。
まずクッションと聞くとソファやチェアに配置するような小ぶりなクッションを思い浮かべるかもしれません。しかし私たちのスタートは、高速道路の分岐部や非常駐車帯に設置している衝撃吸収材の製造でした。クルマの衝突時に衝撃を和らげ、乗員の命を守るクッションです。
それまで高速道路で使われていた衝撃吸収材には問題点がありました。クルマがぶつかると主素材のエアーモルタルが周囲に散らばり、道路を封鎖しなければならなかったのです。そこで1999年にシーエンジが日本道路公団(現NEXCO)と共に考案したのが立体網状構造体。これは繊維状に抽出したポリプロピレン樹脂の糸を複雑に絡み合わせて成形した網目状の立体構造体=3Dメッシュクッションです。このクッション素材にクルマが衝突しても、道路に飛散物を残さず衝撃もしっかりと吸収します。
3Dメッシュクッションを開発できた背景には、かつて私の祖父や父が漁網をつくる専用機械を製造していたことが大きく関係しています。漁網もまた原材料を溶かして繊維状に抽出してつくるため、3Dメッシュクッションの製造に応用ができました。つまり先代から継承した技術やノウハウが今に活かされているのです。

植物由来の材料を配合し「自然との共生」に前進

3Dメッシュクッションの素晴らしさをもっと多くの人に、もっと身近に感じてもらいたい想いで新たな活用用途を考えました。それがベッドマットレスです。ポリエチレン樹脂からなる3Dメッシュクッションは人の身体を優しく支え、快適な睡眠をもたらします。
高性能のベッドマットレスを製造しながら、同時に追求しているテーマがあります。それがシーエンジの社是にある「自然との共生」です。人に優しい製品をつくることはもちろん、自然環境に優しいものづくりを目指してきました。
その思いを共有する双日インフィニティ様との出会いが、新しい素材誕生のスタートでした。
組成や製造工程はそれまでの3Dメッシュクッションと大きく変わりません。しかしGRECOはサトウキビ由来のグリーンポリエチレンを採用しています。クッション材の多くは石油原料がベースですが、GRECOは3Dメッシュクッションに初めて植物由来成分の樹脂であるグリーンポリエチレンの配合に成功したクッション材です。グリーンポリエチレンを配合することにより、製造時のCO2排出量が大幅に削減できます。さらに交換や買い替えなどで不要になった製品を回収し、リサイクルやアップサイクルに対応可能な強みもあります。まさしくGRECOは「自然との共生」というキーワードに寄り添う新しいクッション材なのです。

理想のクッション素材へさらに進化は続いていく

新素材を開発するまでの道のりは決して平たんではありませんでした。ローンチは2021年。開発期間には2年を要しました。約30種類の原材料を用いてトライアル&エラーを繰り返しながら、理想的な立体網状構造体を形成する原材料と配合率を探究しました。原材料によっては成形した糸が絡み合わず、立体網状構造体を形成しないものもありました。あるいは糸が硬すぎてクッションに不向きなものができたこともあります。すべては原料の選定次第なのです。こうしたさまざまな植物由来原料の調達と提供に手をさしのべてくれたのが双日インフィニティ様でした。同社と試行錯誤を繰り返した末に新素材は完成し、「GRECO」として商品化されました。
とはいえこれで満足はしていません。グリーンポリエチレンの配合率をさらに高めるのが永遠の課題です。グリーンポリエチレンを加えるほど硬さが出てしまうため、クッション材に欠かせない弾性が失われてしまいます。現段階では植物由来原料使用率100%は高い壁です。けれども将来的にはグリーンポリエチレンの配合率をじょじょに高めていき、理想的には100%を目指したいと考えています。これからもGRECOはさらなる進化を遂げていきます。

ジャンルの垣根を越えながら誇りを胸に世界へ羽ばたく

ベッドマットレスの良し悪しは、「中途覚醒」を引き起こさないかがひとつの目安になります。中途覚醒とは睡眠中に寝返りをした時に不快感をおぼえて目覚めてしまうこと。良質なベッドマットレスは寝返りをスムーズに促し、快適な眠りを妨げません。GRECOを採用したベッドマットレスは気持ちよく眠れるという評判をたくさん聞いています。柔らかすぎず硬すぎず、絶妙なクッション性が好評です。
ベッドマットレスの他にもGRECOはさまざまな分野で活用され始めています。例えばシューズのインソール、バックパックのショルダーストラップ、ソファの中材にも使われています。クルマのシートに採用するプランもあたためているところです。さまざまな製品のかたちにデザインできる自由度の高さもGRECOの特長といえるでしょう。こんなところにGRECO、あんなところにもGRECOというように多種多様な分野で使われ、世界中の人々に喜んでもらえたらそれ以上にうれしいことはありません。
シーエンジが生産拠点を構えている場所は愛知県蒲郡市です。古くから織物・繊維ロープ工業が盛んな地域で、三河織物の特産地でもあります。その伝統文化を引き継ぐ想いでわたしたちはGRECOを生産しています。2021年に蒲郡市はサーキュラーエコノミーシティを目指すと宣言し、循環型の製品やサービスを提供していく姿勢を打ち出しています。当社もまた“メイド・イン・蒲郡”の誇りを胸に、環境配慮型の3DメッシュクッションGRECOをこの地から世界に向けて発信していきたいと考えています。